宮崎県宮崎市
延床面積:76.03㎡(23坪)
設計・監理:杢のすまい設計室
施工:寺岡建築
土間縁のある家のネーミングはこの家の主役級の空間が
たった4畳にも満たないスペースの土間縁だと思ったのでこう呼ばせていただきました。
というのも、
お施主さんのご希望は「空気がきれいな住まいに住みたい」「遊び心のある家」「サンルームが欲しい」というものでした。
そもそものご縁は佐伯市にある再生民家『遊志庵』をご覧になり、伝統的な木組みと土壁のすまいに興味を持っていただき、
その後『大きな屋根の小さなすまい』もご見学いただきました。
木組みももちろんですが、特に空気が清々しい土壁をお気に召して頂いたようで、設計士の私にご依頼くださいました。
お施主さんの旦那様は趣味が沢山あります。その趣味部屋としてロフトを希望。
奥様のサンルームは見事『土間縁』が解決してくれました。
そして、この土間縁はもう一つの旦那様のとっておきの趣味である「釣り部屋」にもなりました。
当初は、お施主様の一番の趣味である「釣り」にまつわる空間を外部に別に作るかを検討したのですが、
住宅街というのもあり限られた敷地で庭も確保しつつ、この空間をどうするかは悩ましいところでした。
これについては、お施主様製作の動画をぜひご覧ください。お施主様が分かりやすく見事にまとめてくださっています。
(※掲載した写真は、完成まであと一歩の時点で撮影したものなので実は土間縁の完成写真はありません。
ぜひ動画でご確認くださいね)
https://www.youtube.com/watch?v=4zd-np784i4
さらに、この家にはロフトが2か所あるのですが、一つは旦那様の趣味部屋、
そしてもう一つは小屋裏収納として収納を目的に当初は設計していました。ところがこの動画を見て驚きました。
なんと奥様の趣味部屋になっているではないですか!
設計士の私はそれがとても嬉しかったです。お施主様のすまいがお施主様によって工夫して住みやすくお使いになられているのはとてもうれしいものです。
余分なものをそぎ落としたコンパクトな間取りになっていますが、廊下がなく風通しの良い大空間の家族室から各部屋へアプローチできる間取りだからこそ可変性がありますし、南側の大開口と縁側の効果も相まって広さも感じられます。
そして主役級の土間縁は、旦那様の趣味部屋、奥様のサンルーム、そして家族の勝手口、身近な友人・知人たちがちょっと顔を合わせる場所にと用途は多岐にわたります。
一つの部屋に一つの機能を持たせるのではなく、一つの部屋にいくつもの機能を持たせ可変性のある空間にすることですっきりと使いやすい住まいになります。
建設時は、ちょうどコロナ禍の初めての緊急事態宣言中と重なったこともあり、途中工事が中断したり、
工期が延びてしまったりとお施主様も気が気でなかった時期もあったことと思います。
しかしながら、積極的にこの家の土壁の荒壁塗りの加勢をしてくだり、外壁の塗装、外構工事など
棟梁であるお父様と一緒にご家族みんなで楽しんで家づくりをしてくださいました。
この場をお借りしてお施主様をはじめ両家のご家族の皆様に厚くお礼を申し上げます。
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https://www.mokunosumai.com/news/2021/09/news_post-8.php