設計事例:新築:さいき・あまべの家|大分県の【杢のすまい設計室】なら伝統構法住宅から古民家再生までしっかり設計・施工いたします。

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さいき・あまべの家

大分県佐伯市
延床面積:107.20㎡(32坪)
設計・監理:すまい塾古川設計室 古川 保&杢のすまい設計室 和田恵利子
施工:寺岡建築

 この住まいが完成するのには、土壁づくりを始めたのは2018年の5月、木材を乾かすのに約1年、実際に大工の墨付け刻みの工事が始まったのは2018年11月からで、実際の工事期間は10ヶ月、設計期間を含めると約2年近くの歳月がかかりました。お施主様が一生かけて住まう大切な住まい。私たちは伝統的な構法で、時間をかけて人の手で丁寧につくることを大事にしています。そのような住まいはそれだけ長く愛され、自然のサイクルに調和した長寿命な住まいであると考えています。
 室内の仕上げはすべて無垢の杉の木と漆喰、そして昔ながらの藁床の畳。60㎝の高さの藁を圧縮して6㎝程の厚みがある藁床の畳は長時間座っていても足がしびれにくく、適度なクッション性があります。八代産のイ草の良い香りと見た目の清々しさに心を奪われます。日本の住まいから畳は減少していますが、やっぱり畳の空間というのは心地よいものです。この住まいは居間が畳となっており、昔の茶の間を彷彿とさせます。畳の空間は、昼は居間として、夜は寝室としても使えるので用途が広く、変幻自在の空間です。


・大分の山で育った杉材を大工が一本一本見て墨付け手で刻み、太い柱と丸太の梁を金物を使わず、伝統的な継手(つぎて)・仕(し)口(ぐち)で組み上げた木組み。居間から食堂へと続く8mの一本物の太鼓(たいこ)梁に注目。
・粘土と藁(わら)を水で捏ねて、時間をかけて発酵させた土壁は、竹を組んだ小舞(こまい)の下地に塗りつけられ、乾燥を待ち、さらに塗り重ねられ、最後に日本古来よりある漆喰(しっくい)を金(かな)鏝(ごて)で磨いて左官職人が仕上げています。
・木も土も呼吸していると言われるように、優れた調湿性能があり、冬でもストーブや床暖房などの輻射熱(ふくしゃねつ)を蓄(ちく)熱(ねつ)することで暖かさを持続し、夏も冬も温度変化を緩やかにしてくれます。
・木・土・竹・藁(わら)・紙・石は、すぐそこにある手に入りやすい材料であり、自然のものです。食べ物もできるだけ人工的な化学物質を摂取しないことが健康的であるように、長時間過ごす住まいにおいても自然のものでつくり、自然なもので囲まれている方が心身共に健康であると考えます。また、これらの材料は、使い終わってもゴミにならず、自然に還ります。
・あらわしの木組みは長い歴史で培われた日本の伝統的な技術と工夫によって家を長持ちさせます。
・床下を高く開放し、足固め(あしがため)で通し柱を繋(つな)いで固める構法は白蟻(あり)や地震に対する昔からの知恵です。
・深い軒(のき)は風雨から家を守ってくれ、その下の縁側から見える四季折々の自然の姿は私たちの心を豊かにしてくれます。
・夏は深い軒と縁側が暑い日射を遮り、土壁の調湿効果と自然の風を室内に取り込むことで涼を、冬はストーブや床暖房と土壁の蓄熱(ちくねつ)性能(せいのう)を利用して暖をとります。必要以上に機械に頼らず、上手く自然のエネルギーを利用して快適に暮らせます。
・収納を多くというご要望に応え、食品庫として使える納戸、クロークやタンス置場として使えるウォークインクローゼット、物入、棚、食器棚と収納を各場所に配置しています。

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