設計事例:新築:大きな屋根の小さなすまい|大分県の【杢のすまい設計室】なら伝統構法住宅から古民家再生までしっかり設計・施工いたします。

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大きな屋根の小さなすまい

大分県大分市
延床面積:57.24㎡(17.3坪)
設計・監理:杢のすまい設計室 和田恵利子
施工:寺岡建築

屋内は18坪と本当に小さなすまいですが、軒が深いので屋根の面積だけで30坪あります。大工職人が丁寧に墨付け刻んだ8mの一本ものの曲がり梁の小屋組みが見える子供室と家族室の続き間は屋根の形に沿った勾配天井と開放感のある全開口できる(フルオープン式)の南側の木製建具と縁側へと続き、外の景色をも取り込み解放感のある広さを感じられる住まいです。

・大分の山で育った杉材を大工が一本一本見て墨付け手で刻み、太い柱と丸太の梁を金物を一切使わず、伝統的な継手(つぎて)・仕(し)口(ぐち)で組み上げた木組み。家族室の8mの一本物の太鼓(たいこ)梁に注目。
・粘土と藁(わら)を水で捏ねて、時間をかけて発酵させた土壁は、竹を組んだ小舞(こまい)の下地に塗りつけられ、乾燥を待ち、さらに塗り重ねられ、最後に日本古来よりある漆喰(しっくい)を金(かな)鏝(ごて)で磨いて左官職人が仕上げています。
・木も土も呼吸していると言われるように、優れた調湿性能があり、冬でも薪ストーブなどの輻射熱(ふくしゃねつ)を蓄(ちく)熱(ねつ)することで暖かさを持続し、夏も冬も温度変化を緩やかにしてくれます。
・木・土・竹・藁(わら)・紙・石は、すぐそこにある手に入りやすい材料であり、自然のものです。
・あらわしの木組みは長い歴史で培われた技術と工夫によって家を長持ちさせます。
・床下を高く開放し、足固め(あしがため)で通し柱を繋(つな)いで固める構法は白蟻(あり)や地震に対する昔からの知恵です。
・深い軒(のき)は風雨から家を守ってくれ、その下の縁側から見える四季折々の自然の姿は私たちの心を豊かにしてくれます。
・夏は深い軒と縁側が暑い日射を遮り、土壁の調湿効果と自然の風を室内に取り込むことで涼を、冬は薪ストーブと土壁の蓄熱(ちくねつ)性能(せいのう)を利用して暖をとります。必要以上に機械に頼らず、上手く自然のエネルギーを利用して快適に暮らせます。

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