施工風景

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「土間縁のある家」~土壁の竹小舞(えつり竹工事)~

2020/3/7

上棟して3週間が経ちました。
現場では土壁の竹小舞(えつり)工事が着々と進んでおりました。

間渡し竹は棟梁が昨年の切り旬に採取したもの、割竹は竹屋さんから購入したものを使用しています。
この日は土曜日でお施主さんも現場に来てくださり、一緒にえつり作業をしてくれました。

この「えつり作業」は、私たちでもできる作業で、昔は近所の方々が手伝ってくれたそうです。
この後の土壁の荒壁塗りの工程までは近所の方が集まって大勢でにぎやかに家づくりをしていた時代もありました。
えつり作業をしていると、近所のご年配の方が見学に来られ、「懐かしいね」と言ってくださる一コマもあったようです。

この1週間は、棟梁と若手の大工の2人でコツコツとえつり作業を進めていたそうです。
若手の大工は前回の「さいき・あまべの家」に引き続き2回目のえつり作業で、その作業している後ろ姿が板についてきました。
(後姿の写真は、お施主さんが撮影してくださり設計士の私にわざわざ送ってくださいました。)

土壁の最盛期には「えつり屋さん」というえつり作業を専門にする職人さんがいらっしゃいました。
熊本の設計事務所時代はえつり屋さんが実際に現場で作業しておられました。
しかし、時代の変化と共に、内壁は石膏ボードを張ってクロスを張り、外壁はサイディング張りという乾式工法の安くて速い工法が主流になってしまったので、えつり屋さんの仕事が減ってしまいました。熊本のえつり屋さんも高齢の方で、兼業でえつり屋をしているとお聞きしました。

大分にはえつり屋さんという専門の方はいらっしゃるのかな。。。というところでしたので、
大分では現場の大工さんが頑張ってえつり作業をしてくれました。

えつり屋さんがいなくなってしまっても、こうやってみんなでえつり作業をしていれば、なんとか技術は受け継いでいけます。
さらに、お施主さんも一緒に作業することは、家に対する愛着も増すのではないでしょうか。

この竹小舞は最終的には土で隠れてしまうのですが、
お施主さんはすまいが完成しても
「この壁は自分が若いころ竹を編んだ場所だな。。。」と思い出してくれる時があるかもしれません。

お施主さんが参加してくださると現場の大工さんも喜んでくれます。
工事の様子を見に来てくださるだけでも、やはりうれしいと思います。
そういう作り手と住まい手のコミュニケーションはとても大事だと思います。

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