施工風景

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「土間縁のある家」~いぶし瓦について~

2020/2/25

上棟してから1週間経ちました現場の様子です。銀鼠色に輝くいぶし瓦が屋根一面に葺かれました。いぶし瓦はやはり、その見た目の美しさに設計士の私はいつも心を奪われます。(その良さは見た目だけじゃないんですよね!これから説明します)

いぶし瓦は雨に濡れると少し吸湿しますので、そのしっとりとした表情もまた美しいのです。(ゆえに、寒い地方では寒割れを起こすので釉薬をかけた陶器瓦を使います。いぶし瓦は粘土瓦ですが、何もかけずに窯の中に入れて焼き、そのあと“むし焼き”(燻化工程)にして瓦の表面に炭素膜を形成させます)

ところで瓦一枚の値段はなんと180円前後です。実は瓦自体の値段ってそんなに高くないんです。
ただ、手間がかかり(瓦一枚一枚を釘で留めていく、軒先や、棟瓦の納め方など)職人さんの人工数(日数)もかかるので瓦工事費だけで見ると鉄板屋根より高く感じられます。

しかしながら、いぶし瓦のいいところは修理がしやすいこと(一枚ずつ変えられる)、土でできているので使用後は土に埋められる、長い長い耐久性があることでしょう。瓦工事費を耐用年数で割れば費用対効果が高いことは明白です。

熊本地震などでは、瓦が落ちて瓦屋根の家は地震に弱いなどという風に言われたりもしましたが、阪神淡路大震災以降にできた瓦のガイドラインに沿って施工されていれば、無被害の瓦屋根も数多くありました。
安易に瓦屋根が地震に弱いというテレビの報道には困ったものでした。

日本に古くから使われてきたこの伝統的ないぶし瓦の良さを今一度見直して欲しいと思います。

追伸:面戸板という聞きなれない部材があります。これは、屋根の下地を支える垂木と垂木の隙間に納めていく部材なのですが、小屋裏換気をするためにそこに3ヶ所丸い穴を開けるように設計図書には書いています。
しかし、前2棟の住まいには棟梁が遊び心でその面戸板を鶴亀や富士山などの縁起物を1ヶ所だけ彫っていました。
ところが今回。若手の26歳の大工がまた遊び心で素敵な模様に彫ってくれました。さすが宮大工の経験がありますね!しかも全部。。。(笑)

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